注目メーカーを徹底解剖

オフィス空間を快適に!備品の集約からフリーアドレス、昇降式デスクまで。ビジネスイノベーションで法人へのアプローチを「コクヨ」

常に成長し続ける最先端のオフィス

品川ライブオフィス「SHIPP」

 ■「昔」の仕事を志す今でも変わらぬ企業理念

コクヨは今から百年以上前に会計の記録に使われていた「和帳」の表紙製造から始まり、創業者の郷里である越中の「国(故郷)の誉となる」という想いから「国誉」と命名された。

 ■アイディア溢れる創造空間改善を重ねたライブオフィス

 JR品川駅港南口から5分ほど歩いたところに位置するコクヨ東京ショールーム。3,4階はオフィス用家具の他に、医療・教育・官公庁向けなど、目的や用途に応じた様々な製品を展示している。そして5階に上がるとライブオフィス「SHIPP」が広がる。実際にコクヨシ社員が働くフロアで、ビジネスの課題を解決する仕掛けが散りばめられたオフィスをリアルに体験できるという。

「SHIPP」は2015年11月にオープン後、2年間で見えてきた課題を解決しさらなる進化を図るため昨年11月にリニューアルした。

そして〝SHIPP〟という名の通り、船をイメージした設えと各エリアのネーミングが一層ワクワクさせてくれる。「P」が一つ多いのは、パートナーのPだという。航路の方向を見失わないよう常に時代の動きを捉えながら、「働き方」や「オフィス空間」を提案。

「働く空間の選択肢とモビリティを考慮したツールで、ワーカー自身が心地よく働ける環境を作ることが大切です。このライブオフィスと同じものをそのまま真似するだけではお客様の課題を解決することはできません。ワーカーの声を聞き、課題をクリアした上で、たくさんのヒントの中から膨らませていくお手伝いを私たちはしています。」

 

 ■コスト解消だけではないフリーアドレスの新提案

そもそも「フリーアドレス」タイプのオフィスは外回りの営業が不在時に空間を有効活用し、社員の席を固定せず小規模化できることから、コスト削減対策として導入する企業が多かった。さらに固定しないことで部署を超えたコミュニケーションが生まれやすいというメリットも大きい。「現在、社員217名、一人あたりのオフィス面積は4.9㎡のため平均的なオフィスの8.55㎡に比べ狭いのですが、動線が広いのでゆったりと感じられます。また完全なフリーアドレスではなく、グループ単位のエリア

内でのフリーアドレス制に。一週間に一度、座るエリアが変わるので、今度はどんな人と話が出来るかな、と毎週楽しみです。」と担当者は語る。

 ■新時代に先駆け生きた情報をカタチに

個人の荷物はパーソナルロッカーに収め、モバイルパックにPCや必要書類を入れて移動をしている。収納庫内は同じファイル用品で統一することで検索性を向上させ、同社で販売している収納庫にピッタリ収まるサイズの防災用品を分散して収納する工夫もみられた。各所に設けられたユニークな打合せコーナーも必見で、カフェやリビングで過ごすような心地よい空間に仕上げられている。コピー機やゴミ箱、消耗品を一ヶ所に集約させたサプライコーナーは、消耗品の一括購入によるコスト削減はもちろん、新たなコミュニケーションの場にも。自然に人を集めることから、マグネットスペースと呼ばれていた。また、机の高さを変えることで様々なスタイルの会議に対応できる昇降デスクは、座り込んでしまって長引く会議も、立ち会議をすることで簡潔に済ますという優れもの。実際に働きながら出てきた多様な課題と真摯に向き合い、得られたノウハウを共有しながら常に新しいオフィスづくりを試みる。あらゆることにヒントが詰まったライブオフィスは、法人向けに限らず新しい住まいづくりのヒントにもなるだろう、Webやパンフレットには一切詳細が公表されてないので、ぜひ足を運んでリアルに体感していただきたい。

 

   
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