注目メーカーを徹底解剖

ライブナチュラル・プレミアム
無垢を超えた究極のフローリング材(朝日ウッドテック)

新築の分譲マンションや戸建て住宅を購入された方が、たった数年でリフォームする率が案外高いことをご存じだろうか。機器も建材も新品なのに、なぜ? とも思えるが、そこに消費者の住生活に求める嗜好が読み取れる。気に入らないデザインや部材は、例え新しいモノでも使い続けることに抵抗感があるのだ。今や住まい手の感性に合った商品の提供なしには、高い満足感を差し上げることができない。ユーザーニーズが多様化、細分化する昨今、提案側の商品選定にも厳しい審美眼が求められる。
 
販売開始後、早く確実に売り切るためには個性的な商品の採用がしづらく、デベロッパーや住宅会社等の売主側が万人向けの無難な選定になってしまう事情も分からないでもない。また、後々のクレームやトラブルをリスク回避するため、省メンテナンス性の高い商品が選ばれる傾向にある。工期の短縮をめざし、施工のしやすさも重視される。いきおい、品質が安定している工業製品が選ばれてしまう。
 
新築もリフォームも、そうした自社の都合とユーザーニーズとの摺り合わせには腐心しているかと思う。ただ、今後もっとも優先させるべきなのが、購入者=住まい手であるのは疑いない。
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無垢材を超えたフローリング

家の中で、生活者が一番触れる建材が「床」である。だからフローリング材への関心と審美眼は、つくり手がもっと持たなければならない。
 
朝日ウッドテックのフローリング材「ライブナチュラル」が売れている。10年前の発売開始以来、高級銘木突板フロアのトップブランドとして今やすっかりスタンダード商品となった。一般的な合板の倍維持用の価格でありながら、今なおひとり勝ちと言っていいほどの人気を得ている。同社のフローリング材に本物感が漂っているのは、同社が材木商であったDNAが現在も受け継がれているからといえよう。それがユーザーの厳しい目を満たした完成度となって、長く支持されているわけだ。ホテル建築や高級マンションを手掛ける設計者やデベロッパー等から受け入れられたという事実が、クオリティの高さを物語っている。
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ライブナチュラルは無垢材ではない。しかしそこには合板といった安っぽいイメージは微塵もない。むしろ無垢材の風合いを残しつつ、無垢材の弱点を克服した、無垢材を超えたフローリング材である。

例えば無垢材の弱点(特性なのだが…)である、反りや割れをなくしていること。無垢材はユーザーの人気も高い建材だが、一方で反りや隙間、突き上げ、割れといったリスクもあり、入念なメンテナンスが欠かせないことはさほど知られておらず、施工後のクレームも起きやすい。それらのリスクをライブナチュラルは解決している。また、床暖房の併用が可能なのも、無垢材にできない芸当だ。

つまりはライブナチュラルは、無垢材そのものの本質美と複合フローリングの高機能製を併せ持った、トップクラスのフローリング材なのだ。

ライブナチュラルの最高品質が誕生

そのライブナチュラルが、発売10周年の節目に「ライブナチュラル・プレミアム」を発売開始した。住設機器のトレンドを発信するイタリアの「ミラノ・サローネ」。開発担当者が毎年出向き、クオリティの高いライブナチュラルを、さらに洗練させていった。
ライブナチュラル・プレミアムは、天然木の無垢材をのこぎりで挽いた厚さ2㎜の「挽き板」に加工し表面化粧材として使用した「無垢材挽き板化粧フロア」である。無垢材のもつ本質美と、複合フローリングの高機能製を兼ね備えた、至高のフローリング材といえる。

ライブナチュラルは、ブラックチェリー、ハードメイプル、ブラックウォルナット、オークと計4種類の銘木によるラインナップ。それぞれに美しい個性を持ち合わせ、住まい手の感性やライフスタイルによって使い分けられる。いずれの木材も、朝日ウッドテックが原木から自社で吟味・調達してきた世界中の銘木のみを使用している。

機能的でいて、木の質感はトップクラスにあると言っていい。その高い完成度は、天然木化粧複合フローリングとして初めて、グッドデザイン賞(2012年度)に受賞したことからもうかがえる。溝の形状の開発だけに2年もかけていると聞けば、その高い完成度もうかがいしれよう。

床の風合いを決めるフローリングトップは、オリジナルの仕上げ塗装「ナチュラルマット塗装」を採用。特別な仕上げ塗装を施すことにより、これまで難しかった銘木の風合いや感触と、摩耗・汚れなどへの耐久性を両立させている。

加えて、高い施工性も併せ持つ。1ユニットが1尺×6尺の標準的な床材設計サイズになっているから、無垢材や挽き板のような手間もかからない。ただし、1枚1枚のカラーが微妙に違うため(「不揃いの調和」というやつだ)、施工に際しては「色合わせ(事前に並べてバランスを確認する作業)」を行いたい。しかしそのひと手間によって、奥行感のあるリッチな美しさを放ち、必ずやユーザーの満足感を満たすことになろう。

日本人は「座」の文化を持つ。裸足の文化でもある。いい家は、いい床にあると言っていい。家や住まい手の風格も、床がつくる。だからもっと床材にこだわりたい。

畳の感触や廊下のひんやりした質感など、幼少の頃の記憶は、床によって形成されることが多い。住まい手の記憶を形成する住まいをつくり上げることが住宅に携わる者の文化的使命であるのなら、床材へのこだわりは、これからの家づくりにおける重要な視点となっていくはずだ。