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「お化粧リフォーム」から「資産化リフォーム」へ

「お化粧リフォーム」から「資産化リフォーム」へ

子世代が住み継がない

これまで住宅の取得、とりわけ新築戸建て住宅を建てるようなケースにおいては、その家を終の棲家として捉え、以後家族間で住み続けていくことを漠然と想定していたかと思います。郊外の庭付き戸建て住宅が長年「住宅すごろく」の“上がり”としてイメージされていたように、戸建て住宅の取得が多くの日本人にとっての人生最大の目標だったわけです。
 
しかし昨今では、こうした考え方が大きく変化しています。まず、建て主の子世代が、相続や贈与を受けてもその家に住まい続ける保証がなくなってきています。とくに地方部では、地元での就職難などから都市部への流出が顕著になっており、住み継ぎの阻害要因となっています。
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また建て主が高齢になるにつれ、郊外の広い戸建住宅より都市部の駅に近いコンパクトなマンション住まいの方がリタイヤ後を快適に過ごせることに気付きました。子供が独立した後は再び夫婦だけで暮らすのに、広い戸建住宅は維持管理が手間になります。買い物や通院、その他の所要が徒歩や公共交通機関の利用で済む利便性は、高齢であるほどありがたいものです。つまり建てた本人でさえ住み続けるのでなく、住み替えを希望するようになっているのです。

持ち家は第三者による利活用の時代に

家族間で住み継ぐことが難しいのであれば、今後は住み替えて現在の住まいを売却したり、賃貸するなど、第三者の利活用が重要になります。


では、いざという時売却しやすい家とはどのようなものでしょう。ロケーションを別にすると、まず建物の基本性能が備わっていることが挙げられます。とくに耐久性や耐震性など、構造部の強度は長期使用のために不可欠な性能。また、ランニングコストや快適性を左右する省エネ性能も重要です。


このように、売却や資産価値を確認するためには、建物の性能が客観評価できることが求められていきます。


住宅性能表示制度に基づく現況検査や、民間事業者が行うインスペクション(建物調査)を活用すれば、既存住宅の性能・劣化状況を的確に把握できます。その建物が有する価値を類推しやすくなるため、いざ売却が必要になった際にもスムーズな査定が期待できます。


また、長寿命化リフォームを実施することによって、一定の住宅性能が第三者にも確認しやすくなります。中古流通市場では、リフォーム済みの物件はリフォームを行っていない物件よりも、市場での評価が高い傾向にあります。平成26年度から開始した既存住宅の「長期優良住宅化リフォーム」も、獲得する性能基準が明確であり、資産価値の維持や向上に有効と考えられます。

 

住まい手なら、誰しもリフォーム工事に要した費用分は住宅の資産価値が上がってほしいと考えるもの。そのためには個人の趣味性の高い「お化粧リフォーム」でなく、正しく性能向上をめざす「資産化リフォーム」が、投資効率としても高いものといえます。