注目メーカーを徹底解剖

女性が求める機能を満たしたトイレ空間の提案「AICA」

 ■ストレスを軽減しトイレを洗練された空間に

メラミン化粧板の分野で、国内シェアトップを誇るアイカ工業。今回はそんな同社が作るトイレブースに注目してみたい。

トイレ空間は建物の印象をも左右する重要な場所。近年では、老朽化への対応だけでなく、集客や利用者の満足度向上のために、オフィスや公共施設などのトイレ改修が盛んに行われている。そこで同社は、2012年に「女性目線の商品開発プロジェクト」を立ち上げ、非住宅における女性のためのトイレ空間の調査や商品開発に乗り出し、女性ならではの感性で考えたトイレ空間「エル・シリーズ」を提案している。

たとえば買い物帰りなど、荷物をたくさん抱えている時にストレスになるのが、狭い個室への出入りだ。扉が開き戸の場合は、特に荷物の引っ掛かりがきになる。そうして誕生したのが、引き戸のブース。戸袋を左右兼用にすることで、開き戸と同等のスペースでの設置が可能になった。

この他にも耐久性、メンテナンス性に優れ、かつ洗練されたデザインのトイレブースが5種類ラインナップ。メラミン化粧加工における高い技術力を活かし、木口部分をメラミンポストフォーム加工したシリーズもある。これにより木口まで一体化した高級感のある空間が実現する。

 ■洗面&メイクスペースもトータルコーディネート

 女性にとってトイレは、身だしなみを整えるスペースでもある。中でも洗面スペースはお化粧直しをしたり、ヘアスタイルをチェックしたりする大事な場所。ところが、アイカ工業が20〜60代の女性333人にアンケート調査を行った結果、トイレ空間に不満を抱いている人が多いことがわかった。その理由のワースト1は、洗面スペースやパウダーコーナーに荷物の置き場がないこと。そこで同社では、洗面スペースやパウダーコーナーの商品開発にも女性目線を盛り込んだ。

まず、カウンターの下には大容量の棚を設置することに。さらに奥に向かって約15度の傾斜をつけ、荷物が落ちにくくなる工夫も施した。パウダーコーナーには仕切りを設け、自分だけの空間を作れるように配置。鏡に近づきやすい距離も計算し、落ち着いてメイクができる環境を整えている。

また、洗面カウンターは手洗い場のすぐ近くにエアータオルスペースを確保。これにより、水の飛び散りが軽減する。面材のデザインは、トイレブースや他の壁と合わせたコーディネートが可能。同社でならトイレブースから洗面カウンター、パウダーコーナー、そして壁面までトータルでプランニングできる。トイレ空間の改修を予定されている際は、ぜひ検討していただきたい。

 

 

 

   
photo
 
photo
 
photo