注目メーカーを徹底解剖

今注目の家具ブランド「リッツウェル」(Ritzwell)

 ■デザインコンセプトは「愛着を記憶する家具」

1992年、福岡の小さな拠点から世界に広げたいという想いでスタートをしたオリジナル家具ブランドのリッツウェル社。現在は東京の南青山、大阪の南船場、福岡の博多と3拠点にショールームを展開。海外市場への進出も積極的に行い、本場イタリアをはじめ北米やヨーロッパ、アジアへと販路を拡大しており、グローバルにその名を広めている。2008年、国際家具見本市ミラノサローネに日本チームとして初出展をしてから毎年出展を重ね、遂に2013年、日本企業初の「DESIGN HALL」に単独出展、昨年2015年にはアジア企業初の「DESIGN HALL7」に、さらに今年は「DESIGN HALL5」に出展した。デザインのベースになっているのはバランスのとれた簡潔なフォルムと素材を活かした有機的なモダニズム。「実用性」と「審美性」の2つの視点から幾度ものブラッシュアップを繰り返し、過剰さを削ぎ落として造形されている。そして素材を使い込むほどに背の形や皮革のしなやかさ、親しみのあるシワまでが愛おしいものとして記憶され、時と共に新たな表情を生み出し続ける。

 ■一番人気のオススメのアイテム「ライトフィールド」のソファ

2014年12月に発売して以来、全商品の中で圧倒的な売れ行きを見せるLIGHT FIELD(ライトフィールド)シリーズのソファ。たっぷりとしたファブリックの柔らかさと外側のレザーのシャープさを組み合わせた緩急の効いたデザインが特徴的。ゆったりとした大振りなクッションは最上級のウレタンフォームを採用し、包み込まれる様な心地良さとくつろぎ感を生み出す。そして、タンニン鞣しの厚革に丁寧にステッチを施して作りあげた確かなフレームラインは、贅沢な素材使いならではの控え目な美しさを意識したもの。キズの無い広い面積に厚革をダイナミックに使用しているところも魅力の一つ。厚革のカラーは国産のブラック、イタリア・トスカーナ製のバーガンディ、ヴインテージブラウンの3色。華奢な6本の細い脚で支えることで、ソファ全体が浮いた様に演出され、シャープなフォルムをより際立たせている。派手過ぎず地味過ぎず、流行にもとらわれない凛とした佇まいの中に優美な印象をもたらす逸品である。

 ■リッツウェルを代表する「イビサフォルテ」のテーブル

2003年に発売され長年愛され続けるIBIZA FORTE(イビサフォルテ)のリビングテーブル。直線と緩やかな曲線が絶妙なバランスで美しく、シンプルな細身のスチール脚の上に無垢材の天板という異素材の組み合わせが特徴的。天板はやや上向きに反っていてエッジ部分も厚みが取られている為、軽やかで浮遊感を感じさせる。無垢材をなめらかに仕上げる繊細な技術、静けさの中で控えめに主張する存在感。こうした細やかな発想こそ職人の技を感じさせ、海外で日本の美と称賛される所以である。

 ■今年のイチオシ新商品「ダイアナ」のソファ

大きく湾曲した背と肘のフレームラインが印象的で後姿が美しいDIANA(ダイアナ)のソファ。木・皮革・ファブリックの異なる3つの素材使いのバランスはリッツウェルデザインの真骨頂。見た目だけでなく、肌触り・風合い・クッション性にもこだわり、使い続けるほどに心地よく体に馴染む様に考えられている。出来るだけ自然な風合いに仕上げた素材を使いながらも、デザインはあくまでも「モダン」。使い勝手がよく、素材が活かされ、しかも形そのものが美しいリッツウェルプロダクトの数々をぜひショールームで体感して欲しい。

 

 
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 LIGHT FIELD
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 LIGHT FIELD ソファ: クッションと厚革との緩急が魅力的
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IBIZA FORTE リビングテーブル:同社を象徴するプロダクトデザイン。

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DIANA ソファ:後姿が美しくリビングの中央にレイアウトして。